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学研教育総合研究所の調べによると、2019年度の小学校のなりたい職業の1位は「ユーチューバー」だそうです。
インターネットが普及する前は「お笑い芸人」が入っていた時期もあります。時代によって移り変わりがあるようですが、共通することは「視聴者を楽しませること」ですね。
世代に関わらず「自分も楽しく、周りも楽しく」というエンターティナーのような考え方が子供達にはあるのでは無いでしょうか?
さて、「ユーチューバー」というと、どんなイメージがあるでしょうか?何か面白そうなことにチャレンジする、商品レビューをする…などあるかもしれません。
確かにそれらもありますが、ゲームなどの「実況プレイ」を行っている方も相当数存在します。
YouTubeやTwitch、ツイキャスやニコニコ動画などの動画投稿サイトをご覧になったことがある方なら一度は「実況プレイ」の動画を見たことがあるかと思います。
このページでは「実況プレイ」動画について、歴史からやり方まで色々と解説します。
そもそも実況プレイ動画とは?
ゲームの実況プレイ動画をアップロードする人の事を「ユーチューバー」と呼ぶ場合もありますが、「ユーチューバー」は実況プレイに限らずより広い意味合いがあることと、YouTubeのみというイメージがあります。
そのため、「ゲーム実況者」「ゲーム配信者」」「実況プレイヤー」という名称で呼ばれることが多いです。海外では「ストリーミング」という言葉になぞらえて「ストリーマー」と呼ばれることもあります。
ゲームに対してリアクションなどを行ったり、セリフを読み上げたり、ゲームと全く関係無く雑談をしたりなど、実況の形式には決まった型はありません。
中にはアニメなどのキャラクターになりきってプレイしたり、酔っぱらいながらプレイしたり…といった配信者も居ます。
さらに日本では「ゆっくり実況」など、ボーカロイドや音声合成ソフトを使用して自分の声は入れずにコンピュータに喋らせた音声を入れている配信者も居ます。
2000年以前までの実況プレイの歴史
実況プレイの歴史は、遡ると「ファミリーコンピュータ」などの家庭用ゲーム機が普及し始めた1980年代辺りから、メーカーの広報担当などがゲームの解説として「実況プレイ」動画を配信したのがはじまりといわれています。
当時ハドソンの広報担当だった「高橋名人」が非常に有名ですね。「スターソルジャー」などで披露していた「16連射」は視覚的にも分かりやすく、今でも伝説に残っています。
「ゲームは1日1時間!」というセリフも有名です。「ゲームは何時間もだらだらやるより、1日1時間と決めてプレイした方が上達する」という趣旨でしたが、「1時間じゃクリアーできない!」と感じた方は多かったでしょう。
高橋名人がメディアに多く出ていた1980年代のゲームソフトはバックアップ機能が無いソフトも珍しくなく、その中には1時間でクリアー出来ないゲームも少なくありませでした…。
とにもかくにも当時は配信者の音声とゲーム動画を一緒に収録する環境が整っていなかったことと、インターネットがまだ普及していなかったため、テレビや販促用などのビデオでの放映が一般的でした。
2000年以降の実況プレイの歴史
2003年に、「有野係長」扮するよゐこの有野がレトロゲームを「実況プレイ」する「ゲームセンターCX」が放映されました。
この放送が、自分のプレイを見てもらいながら実況する「実況プレイ」というスタイルを確立したきっかけといわれています。
この時期になるとVHS→DVDの変化など映像収録の品質が大幅に向上し、インターネットも一般的に普及し始めたことで「実況プレイ」はより身近になりました。
同年2003年に、「PeerCast」というP2PサービスでWME動画が配信可能になり、日本で初めて実況プレイがライブ配信出来るようになりました。
しかしP2Pサービスは「WinMX」というファイル共有ソフトにおいて2001年に著作権侵害で逮捕者が出ており、「PeerCast」に対してもアンダーグラウンド的なイメージがありました。
しかしその後、動画共有サイトの「YouTube」が2005年にサービスが開始されたことで「PeerCast」の動画がアップロードされるようになりました。
更に2007年に「ニコニコ動画」のサービスが開始されました。ユーザーのコメントが画面上に流れるというユニークな仕様がヒットし、「実況プレイ」というジャンルが確立しました。
2010年には「ニコニコ動画」での「実況プレイ」は200人を超え、主要な動画ジャンルの一つとしなりました。
その後数年で緩やかに「YouTube」や「Twitch」に台頭し始め、「ゲーム配信者」「ゲーム実況者」「ゲームストリーマー」「オンラインストリーマー」という言葉が現在使われるようになりました。
現在の実況プレイは?
2020年からはコロナ禍の影響もあるのか、「ユーチューバー」「ストリーマー」「実況プレイ」をアップロードする人が増えてきています。
それまではタレントでも「テレビで最近見なくなった芸人」などが再起を図り「ユーチューバー」となっているケースが多かったのですが、今やテレビで精力的に活動しているタレントですら「ユーチューバー」になる人が後を絶ちません。
もちろん「実況プレイ」というジャンルも有名人がプレイしているケースもあり、他の産業が低迷している中、動画配信は伸びているジャンルです。